2013年10月28日

「共生のコンセプトと今西進化理論」(EJ第3584号)[自民党でいいのか/06]

●「共生のコンセプトと今西進化理論」(EJ第3584号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/368513176.html
2013年07月08日 :{Electronic Journal}拡散としての転載です。

 小沢一郎氏は「自立」に加えて「共生」という概念を大事にしており、「自立」と「共生」を新しい国づくりの理念としているのです。「共生」とは何でしょうか。
 「共生」とは、人間の生き方にかかわる考え方であり、『日本改造計画』には次の記述があります。
―――――――――――――――――――――――――――――
 人類は、人間による自然支配という西洋的価値観から人間は自然の一部であるという東洋的価値観への転換を迫られている。
 東洋的価値観、とくに古代日本の縄文時代においては、人間はまったく自然と共生していた。人間が自然を支配するのではなく、自然によって生かされていた。
  ──小沢一郎著、『日本改造計画』/講談社刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 この「共生」の考え方と関係するのは、ダーウィンの『種の起源』、すなわち「進化論」です。ダーウィンの「進化論」といえば、知る人ぞ知る「自然淘汰説」であり、「適者生存説」です。
 ダーウィンによると進化というものは、種個体、あるいは少数の種個体から始まると考えられており、この特定の種個体のことを突然変異と呼ぶのです。
 この突然変異によって発生した個体が他者と比較して生存するための優位性を持っている「適者」である場合にのみ、生存競争に生き残り、敗れたものは死滅する──これがダーウィンの「進化論」の本質です。
 しかし、このダーウィンの進化論は、自然科学的に証明されたものではなく、単なる一学説に過ぎないといわれているのです。
もともとこの考え方は、英国の経済学者であるマルサスが『人口論』で展開した次のコンセプトを生物社会に取り入れたものに過ぎないといわれているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 人口の増加は等比級数的であるのに対し、食料の生産は等差級数的にしか伸びないから、一部の人間の貧乏・飢餓は一種の自然現象として不可避である。
  ──マルサスの「人口論」より
―――――――――――――――――――――――――――――
 このダーウィンの進化論に対して、日本人として異を唱えた学者が今西錦司氏(1902〜1992)です。今西錦司氏は、日本の社会人類学、生態学の草分け的存在であり、登山家としても知られています。
 今西錦司氏の学説は「今西進化論」といわれており、その骨子をまとめると、次のようになります。
―――――――――――――――――――――――――――――
 ある種から新しい種が生まれても、従来種は駆逐されることなく、新しい種と共存してゆくものであり、その発生事態も突然変異などによる偶発的なものでなく、環境の変化などによって時期が来たら複数の個体が、あたかも化学反応のように、同時多発的に変化してゆく現象が進化なのである。
                 ──今西錦司/吉本隆明著
    『ダーウィンを越えて/今西進化論講義』/朝日出版社
―――――――――――――――――――――――――――――
 今西進化論は「棲み分け理論」と呼ばれており、ダーウィンの進化論が競争原理に基づいているのに対して、今西進化論は共存原理をペースとしています。
 これは小沢氏のいう「共生」の考え方に通じるのです。そしてこの考え方は、米国の新自由主義と対極の考え方です。新自由主義は、まさにダーウィンの適者生存/自然淘汰の考え方にとてもよく似ているのです。
 次の演説は、小沢一郎氏が2006年4月7日、民主党の代表選の政見演説の一部です。
―――――――――――――――――――――――――――――
 小泉政治は自由と身勝手を混同した結果、弱肉強食の格差社会という妖怪を生み出してしまいました。本当の自由とは誰もが共に生きていける『共生』の理念が前提であり、それを保証する規律と責任を伴うものであります。その『共生』のルールが公正なのであります。         
  ──平野貞夫著
  『わが友・小沢一郎』/幻冬社刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 2006年4月、小沢一郎氏は、メール問題で退任した前原誠司代表の後任として民主党代表に就任しています。この「共生」の考え方は、民主党として、当時の小泉政権がブッシュ米大統領の市場経済至上主義に追随した政策を強行し、そのために生じた深刻な格差社会を是正しようとして、小沢民主党が打ち出した新しい国づくりのコンセプトなのです。
 「共生」を新しい国づくりの理念として掲げ、あらゆる面で筋の通った「公正の国・日本」をつくる。そのために国民一人ひとりが自立し、国家としても自立することを目指すとともに、人間と人間、国家と国家、人間と自然の「共生」を国是とすると、小沢民主党は宣言したのです。そして基本政策のキャッチフレーズを次のように決めたのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
        公正な社会、共に生きる国へ
―――――――――――――――――――――――――――――
 民主党の政権交代の快進撃はこのときからはじまったのです。
そして2007年夏の参院選を迎えます。そのときのマニフェストのテーマとして次を掲げ、「三つの約束」と「7つの提言」を掲げたのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
           国民の生活が第一
―――――――――――――――――――――――――――――
 このかつての民主党のシンボルテーマである「国民の生活が第一」は、実は鳩山元首相のいう「友愛」と「共生」のコンセプトがあって、はじめて生まれたのです。
  ――─ [自民党でいいのか/06]

≪画像および関連情報≫
 ●小沢一郎の「共生」理念の原点は今西進化論/内田良平氏
  ―――――――――――――――――――――――――――
 この今西進化論を要約すれば「生物界を種社会による有機的調和体」とし「進化とは競争で相手を淘汰するのではなく、切磋琢磨によってより強い共生関係を作り上げていく」という考え方を採っている。
 今西進化論を社会に当てはめると、「進歩は自由競争によって獲得されるようにみえるが、実は社会の中で形成された共通の文化と、その文化が持つ共生のメカニズムによって創られる」と読み解くことができる。

 日本人は元来レベルの高い文化を保有しており、その文化に根ざした経済環境を作ることこそ国家の力を高めていく事になると今西らは主張する。ところが「市場原理主義」を信奉する欧米や、彼らに操られる日本の政治家や経済人にとって小沢一郎の主張する「自立と共生―国民の生活が第一」の「共生国家の建設」は彼らの「賢い人間だけが生き残り、劣った人間は淘汰される」という理念に反することになる。

 彼らにとって、この「競争を絶対とする米国資本主義」を守るため小沢一郎という政治家を葬り去る必要があり、またTPPという米国資本主義のための「競争による収奪装置」に日本を参加させることが重要なのである。もし民主党政権が国民を豊かにしたいと考えるならば、国民を競争で煽りたてたり、金儲けの上手い人間を優遇する狩猟民族的政策ではなく、小沢一郎が説く「共生」の理念を基に、道徳的倫理観や礼節、弱者への思いやりといった日本文化の良さを生かした新しい経済政策を打ち出すべきだろう。
  http://www.asyura2.com/11/senkyo122/msg/596.html
  ―――――――――――――――――――――――――――
posted by メジナオトト at 15:25| Comment(0) | 自民党でいいのか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。