2014年01月13日

「日本型セーフティーネットを作る」(EJ第3586号)[自民党でいいのか/08]

●「日本型セーフティーネットを作る」(EJ第3586号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/368680428.html
2013年07月10日 :{Electronic Journal}拡散としての転載です。


 昨日のEJで、政治家は正確な歴史認識を持つことが必要であることを強調しました。現在、世界は第3次産業革命といわれる情報社会の真っ直中にいますが、社会の変化に国や国民が対応できなくなりつつあります。
 産業革命とは、技術革新による産業構造の変化および経済発展のことですが、第1次から第3次まであります。
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 ◎第1次産業革命/18世紀〜19世紀
  ・石炭、蒸気機関を動力源とする軽工業中心の発展である
 ◎第2次産業革命/19世紀〜20世紀
  ・石油を主な動力源とする重工業中心の工業の発展である
 ◎第3次産業革命/21世紀〜
  ・情報技術の発展により、もの作りや社会が変革すること
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 産業革命によって社会や生活は激変し、混迷を極めます。第1次産業革命が起こった18世紀半ばの英国の混迷を救ったのは、議会制民主主義の確立であり、それによって自由と平等が保障されたのです。民主主義の第一歩です。
 第2次産業革命では、労働者の反乱が起きたのです。これをめぐって、共産主義国と資本主義国ではイデオロギーの対立が激化したのですが、激動のなかで資本主義社会の混迷を救ったのは、福祉社会の実現だったのです。
 福祉社会とは何か。収入の多い人が多くの税を負担する「所得再配分」によって公共サービスを行い、社会保障を整備する──そういう福祉社会を資本主義国は実現していったのです。
 このとき、活躍したのが英国のジョン・メイナード・ケインズなのです。あまり知られていないのですが、ケインズもユニテリアンであったといわれています。
 しかし第3次産業革命が起きると、これまで築いてきた福祉社会の仕組み──社会主義的なシステムが崩壊しつつあります。理由は、グローバル化による国の税収の激減と支出の拡大です。これにかわって生まれたのは、弱肉強食による過激な競争資本主義です。第3次産業革命によって、400年続いてきた資本主義が変質してしまったのです。
 2007年9月に急に退陣した安倍首相に代わって福田康夫政権が発足したのですが、その直前の参院選で民主党をはじめとする野党は勝利し、与党の議席数を上回り、いわゆる「ねじれ」がはじまったのです。
 実は、その参院選の時点で小沢氏は米国の投機資本主義と金融資本主義の崩壊を予想し、「友愛・共生社会」を創るために「国民の生活が第一」という政策を掲げたことを明かしています。そのとき、小沢氏のいった言葉を平野貞夫氏は次のように紹介しています。
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 参院選で「国民の生活が第一」の政策理念を作ったのは、その予感(投機資本主義と金融資本主義の崩壊)があったからだ。
これから、「日本型セーフティーネット」を整備して、混乱する国民生活を守ったうえで、公正で活力ある市場経済社会を創るようにしなければならない。
   ──平野貞夫著
          『わが友・小沢一郎』/幻冬社刊
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 「日本型セーフティーネット」──これに基づく具体策として小沢氏は「新しい生活をつくる5つの約束」を発表しています。
それは、次の5つです。
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    1.すべての国民が安定した生活を送れる仕組み
    2.   安心して子育てと教育ができる仕組み
    3.  まじめに働く人が報われる雇用の仕組み
    4.     地域社会を守り再生させる仕組み
    5.    国民の生活コストを安くする仕組み
             ──平野貞夫著の前掲書より
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 この2つ目の仕組み「安心して子育てと教育ができる仕組み」の具体策として民主党は、子ども手当毎月2万6000円、高校無償化──公立高校生の授業料である月額9900円を徴収せず国が負担する。私立高校生には年間約12万円の「就学支援金」を学校に支給する──これらをマニフェストに掲げ、民主党は政権交代を成し遂げています。
 今では「できもしないウソの公約」といわれていますが、予算ですからそれを全面的に組み替えて、優先順位をつければできるのです。ただ、民主党の一部の勢力が政権交代をするや小沢外しを行い、自分たちの手でやろうとして失敗しただけなのです。彼らにはそれを実現させる腕力も能力も気力もなかっただけのことです。この経緯については改めて述べます。
 現在、参院選が行われていますが、各党とも「マニフェスト」という言葉を使わず、公約を記載した冊子の部数を減らしています。なぜなら、候補者が公約冊子を配付しようとしても有権者が受け取ってくれないからです。民主党があまりにも劣悪な政治を行い、「マニフェスト=できもしない約束」と国民に印象づけてしまったからです。この罪は万死に値します。
 ちなみに改正公選法では、政党のホームページに掲載された公約やビラを印刷して配付すると、2年以下の禁固、または50万円以下の罰金になるのです。実にバカげた規制です。
 「国民の生活が第一」は、単なるスローガンではないのです。
現在の日本の国家・社会構造は第2の産業革命による重化学工業社会を前提としてできていますが、それは第3の産業革命による高度情報社会に適合していないため、社会にさまざまな混迷が生じています。この混迷によって国民生活が混乱しないためのセーフティネットとして、「国民の生活が第一」の5つの約束を掲げ民主党は2009年の衆院選に臨んだのです。そして待望の政権交代を実現したのです。
   ── [自民党でいいのか/08]

≪画像および関連情報≫
 ●新しい共生社会の柱とは何か/平野貞夫氏
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 第一次世界大戦の後には、マックス・ウェーバーは「良き資本主義、良き民主主義は死んだ。今あるものは、しょせん偽物だ」と、ある日本人に語っている。資本主義や民主主義を健全に持続させるために、人間の倫理観では不可能になったのが、近代化した人間社会の現実である。それは制度によって保証されなければならない問題だ。そこで健全な市場経済社会・資本主義を機能させる前提として、2つの条件が必要となる。ひとつは「基礎的社会保障──基礎年金、介護、高齢者医療、保育等──を国の責任で整備する」こと。もうひとつは「地球環境の保全を国家、企業・団体のみならず、すべての人間に義務づける」ことだ。CO2削減問題で国際的にも国内的にも激論が続いているが、地球環境が保全されていて、人間を含むすべての生物が生存できるのである。この前提条件を憲法の中に規定して、新しい共生社会の柱とすべきである。
  ──平野貞夫著
         『わが友・小沢一郎』/幻冬社刊
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posted by メジナオトト at 18:24| Comment(0) | 自民党でいいのか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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